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「引き出しをふやす」セラピストの学びと日々。 ─ 街のケアルームから届けたい想い


人の心や身体に関わる仕事は、いつも多様な悩みや不安と隣り合わせです。

心やからだ、家族、発達、社会、経済、制度のことまで、相談の内容は実にさまざま。

こうした悩みは尽きることがなく、ときに心のエネルギーも静かにすり減っていきます。


だからこそ、専門職として私にできることは、たった一人の相談であっても、その方にとって必要な知識やアセスメントを誠実に、丁寧に、常にアップデートしながら備えておくことだと感じています。


それは、自分に「できること」と「できないこと」を見極めるためにも欠かせないこと。

終わりのない学びですが、決して嫌にならないのは、それが誰かの力になれると信じているからかもしれません。


今日は朝から、今年開講する子どもの心のケアの支援者対象の研修で、神経発達症に関する最新知見についての講義を受けました。

神経発達症は大学でも大学院でも学び続けていますが、定義や理解が常に研究によって書き換えられていくのでいろんな立場の方から学び続ける姿勢が求められます。


4月からの新しい1年、どれくらい学びの時間を持つことになるのか…予定をざっと数えてみただけでも、研修だけで200時間近くになりそうです。ここには、シンポジウムやクローズドの勉強会、学会などは含まれていません。

予定している研修は、子どもの心の支援に関する大学の履修プログラム、去年はフロイトについて集中して学び直したので、今年は並行してユング心理学を、東畑開人先生による心理学の講義(受講は今年で4年目になります)、そして北山修先生、松木邦裕先生といった、"レジェンド"と呼ばれる先生方の精神分析の講座、そのほかにも、アロマセラピー、身体心理学、小児の発達、応用行動分析、研究法や人類学など、教科書を開くだけで心が踊るような内容が並んでいます。


ケアルームでは乳幼児へのタッチケアのレッスンを行っていますが、運動協調やことば、発達について心配される保護者の方からのご相談は、ここ20年で確実に増えてきました。

また、学校や園に行くことに難しさを抱える子どもたちも、毎月新たに何人かずつご相談に来られています。

専門職として背景の知識を持つことはもちろん大切ですが、実際に子どもたちと向き合うときには、アニメや音楽の話から会話が始まることも多くあります。

教えてもらった漫画やアニメは、できるだけ目を通すようにしています。

そこにも、その子を理解するための大事なヒントがあるからです。



「引き出しを多く持っていたい」。

すべての分野の専門家にはなれませんが、それでも、目の前の人にとっての「適切な支援」につながる道を、一緒に考えていくことはできます。

必要に応じて、検査やアセスメントの結果をふまえ、信頼できる相談機関をご紹介することも含めて、私は“まちのケアルーム”としての役割を大切にしたいと思っています。


何でも屋さんになりたいのではありません。

誰かにとっての安心につながるように。

これからも、学びの歩みを止めることなく、引き出しを一つずつ増やしていきたいです。


ご相談、お問い合わせは#こころとからだのケアルームつむぎの森




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